望むモノ


「そうだ詩織」




「なんですか?」




デザートが運ばれてくると、今まで黙ってたお父さんが口を開いた。





「詩織に紹介したい奴が居るんだ。来なさい、涼」





お父さんに呼ばれて食堂に入ってきたのは、大人の男の人と同い年くらいの男の子だった。





「初めまして詩織ちゃん。俺は君のお父さんの秘書の横島だ。こっちは息子の涼。よろしくね」




入ってきた優しそうな男の人、横島さん。




「初めまして」




涼と呼ばれた男の子は私に微笑みかけた。




「初めまして」



だから私も一応ニコリとする。





「詩織にはこれから涼と一緒に居てもらう。なんかあったらなんでも涼に言いなさい。分かったな」





「はい。お父さん。」





涼は所謂、私のなんでも係。




「あともう一つ。」




「はい」