よく話し掛けられるし、同時に告白もされるようになった。
それで余計に女子から反感を買い、学校で私に話し掛ける女子は居なくなった。
そして10歳の誕生日の日。
ガチャ
普段勝手に開かないはずの玄関の扉が開いた。
「誰、ですか?」
家の中に入ってきたのは、30代くらいの綺麗な男の人と女の人。
どちらもスーツを着ていて、出来る大人っ感じだ。
「詩織か?」
「そうですけど……」
なんで名前知ってるんだろ。
「私たちはお前の親だ。」
「……………」
驚きのあまり、声が出なかった。
「本当に、私のお母さんとお父さん?」
「あぁ。」
「えぇ。そうよ」
ニコリともせず、無表情のまま告げられた事実。
実感が湧かなかったし、喜びもしなかった。


