「教えろ」



「嫌よ」




「教えろ」




「嫌よ」




このやり取り、何回めだろうか。




しつこ過ぎる。




「話せ。出来る限りお前を救ってやる」





"救ってやる"




その言葉に、心臓がドキッとする。




本当に、この男は救ってくれるのだろうか。




賭けてみても良いかもしれない。




そんな微かな希望を抱いた。




「はぁ……私の負けよ」




お手上げ、と私は両手を上げる。




「教えろ」




「昔話、聞いてくれる?」





「あぁ」



「「「もちろん」」」





「まずね、ーーーーーーーーーーー」





皆を信じて、私は昔話を始めた。