新学期が始まって1週間が経った。
「詩織、行くぞ。」
事の始まりは、司のこの言葉からだった。
「は?」
いや、いきなりどうした司くん。
主語がない。
まぁ、今に始まった事じゃないけど。
「デートだデート。」
「あぁデートね。」
現在地は倉庫の幹部室。
この会話を聞いていた瑛達も驚いている。
まさか司からこんな単語が出るとは思わなかっただろう。
「どこに行くの?」
「近くのショッピングモール。」
「分かったわ」
「司。分かってるとは思うけど気をつけてね」
「あぁ。」
最後に瑛が司に釘を刺し、私達は倉庫を出る。
多分、瑛は敵に狙われるのを気をつけろと言っているのだろう。