望むモノ


次の日の朝、隣で眠っているタクトを置いて家に帰る。




『先に帰ります。昨日はありがとう』



ちゃんと置き手紙を残しておいたから大丈夫だろう。






家に帰って学校に行く支度をする。





メイクをしていると、



ピンポーン



チャイムが鳴った。




いつもは私が出るけど、メイクをしていて手が離せない為お手伝いさんに出てもらった。




少しすると涼が部屋に入って来た。





「おはよう詩織」




「おはよ涼。もう少しだから待ってて」




「あぁ。もしかして朝帰り?」





「うん。サッカー部のキャプテン。」





「そ。」





彼氏情報は全て涼に教えている。




よって私の男関係を全て正確に把握しているのは涼だけだ。





それがいつしか暗黙のルールとなっていた。