望むモノ


フワリ



何故か司にお姫様抱っこされている。




「帰るぞ」




どうやらこのままの体勢で帰るらしい。




恥ずかしいんですけど。




「じゃあね詩織。またいつか会える日を祈ってる。」





「またね和樹。」




私は和樹に別れを告げ、司達と一緒にマンションを出る。




帰り際、チラリと見えた和樹の顔は哀しそうに歪んでいた。




もう見慣れてしまったいつもの車に乗り込む。




「てかしおりん。その格好やばい……」




口元を押さえている流星。




自分の格好を見てみると、ブカブカのTシャツから谷間が見え、足も大胆に出ている。




バサッ




「見るな」




司が着ていた上着を私に掛けた。




「ありがと司」




「あぁ。」




倉庫に着き、幹部室ではない違う部屋に運ばれる。