望むモノ


「そっか。わかったよ詩織。別れよう。」




「えぇ。」




意外にもあっさりと別れてくれた和樹。




司達も拍子抜けしている。




「詩織。来い」





私は下着にTシャツ一枚着た状態で司の元へ行く。





「心配した。」




「えぇ。」




「無事で良かった」





「えぇ」




フワリと、優しく抱き締められる。




なんとなく、私の居場所はここだと感じた。





「じゃあもう帰りなよ君たち。てか紅炎はどうしたの?」






「潰した。」




「じゃあまた新しいの作らないと。一から作り直すの大変なんだからね?」





基本温厚な和樹のお陰で、殴り合いとかそんなのにはならなかった。





そういうのは見たくないし、良かったと思う。