望むモノ


「は?」




「ここに居ろ」





「嫌よ」




「なんでだ」




気にくわないのか眉間に皺を寄せる林堂司。




「授業あるんだけど」




「気にするな」




こいつ……頭大丈夫?




言葉足りな過ぎて通じないんだけど。




だんだんイライラして来た。





「ん。」




腕を離したと思ったら、地べたに座って胡座を掻きその空いたスペースをポンポンと叩いている。





「?」




「司はここに座れって言ってるんだ」





不思議に思っていた私に教えてくれたのは戸塚瑛。





こいつ……日本人なのに通訳居ないと会話出来ないのかよ。





「いやよ」




今度こそ踵を返して屋上を出た。





林堂司が悲しそうに顔を歪めていたのは見なかった事にする。