望むモノ



「あっ!」




「どうした詩織」




「やばい」




「なにが?」




重大な事をし忘れてしまった……




「日焼け止め塗るの忘れた!」




「そんくらい大丈夫だろ」




「ダメよ。女は肌が命なんだから!」




「そんな大げさな」




「司塗るの手伝って」




「はいはい」




鞄から日焼け止めクリームを出して、腕と脚と身体と顔と、自分で出来る範囲の部分に塗る。




「背中塗って」




「あぁ。」




残りの自分では濡れない背中を塗って貰う為に、私はうつ伏せで寝っ転がる。




背中にぬるりとした感覚が走る。




司の手の体温が背中に伝わる。