(…はは、そんな…まさかね?) 花火大会だからだよ、と 私は落ち着かない心に言い聞かせて 前を向く。 「…花火大会、もう始まるよね?」 「そうだな。」 私がそう返せば 要も至って普通に返事を返して。 やっぱり何も 私に抱いているわけないって考えながら 私はどこか無意識に 要を意識していた。 …ドクン、ドクン… (…違う、これは…もうすぐ花火が上がるから… それに、ドキドキしてるだけ…。) だって…私が好きなのは 春樹くん だから……。