あの後、渚くんはあたしの鞄を持ってきてくれて、一緒にお店を出た。
今は、お母さんの病院までの道のりを2人で歩いている。
「もう、蒸し暑くなってきたね、ほのかちゃん大丈夫?」
「うん、ありがとう……」
何も言わなくても、それが自然かのように手を引いてくれる渚くんは、今日は見慣れない私服を来ている。
白いTシャツに、薄いピンクのシャツを腰に巻いて、ジーンズの裾を少し捲り、シンプルな赤いスニーカーを履いている。
男の子なんだなと、改めて感じた。
「今日の白いワンピース、ほのかちゃんにすごく似合ってて…その、可愛いね!」
「あ、ありがとう……」
今日は白いシノースリーブのワンピースに茶色の肩掛けバックにサンダルを履いていた。
照れながらも誉めてくれる渚くんに、あたしはぎこちなく、笑みを返す。


