「ほのかちゃん!!」
今度は、誰かに名前を呼ばれ、あたしは手を取られる。
「いやぁっ!!触らないで!!」
「俺だよ!ほのかちゃん!!」
あぁ、殺される!!
また、首を絞められる、殴られる!!
「な、殴らないでっ!!」
「ほのかちゃん!!俺は渚だよ!!」
ギュッと抱き締められ、動きを抑えられる。
あれ……フローラルな香り。
この匂いに、覚えがある……あぁ、落ち着く…。
「大丈夫だよ、ほのかちゃん……」
「な……ぎさ………く、ん……」
やっとの思いで、そう名前を呼ぶ。
カタカタと震えるあたしの体を、渚くんは優しく包み込んでくれた。


