ーバタンッ!!
「え、君大丈夫!?」
急に倒れたあたしに、その男が歩み寄ってくる。
「こ、来ないでっ!!」
「はぁ!?」
伸ばされた手をバシッと振り払う。
すると、男は怒ったように舌打ちをした。
「心配してやったのに、なんだよその態度は!!」
『殺してやる!!』
まるであの男が、そう言ったような気がした。
「っ!!」
怒鳴らないで……怖い、怖い怖いっ!!
ドクンッ、ドクンッ!!
心臓が嘘みたいに早く、痛む。
「い、いやっ……いやぁっ!!」
涙をボロボロと流して、震える体を自分で抱き締める。
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