その笑顔につられて、あたしは手を伸ばす。


「俺にも、ほのかちゃんの抱えてるもの、半分背負わせて」


その言葉に、あたしは伸ばした手を止める。

あたしの過去に、この人を巻き込んでもいいの…?

そんなの、ダメに決まって…。


「ほのかちゃんのせいとか、そういんじゃないんだよ」


「渚くん……」


渚くんは、止めたあたしの手を握りしめた。


「みんな、ほのかちゃんが大切だから、傍にいたいし、笑ってくれると嬉しい」


「大切……あたしなんかが…」


「ほのかちゃんが、大切なんだよ。いつか、ほのかちゃんが心から笑ってくれるように、俺……」


渚くんは、あたしと繋いだ手の小指に自分の小指を絡めた。


「ほのかちゃんを守るって……約束する」


まるで、指切りをするように、絡まった小指を持ち上げる。


ーツゥゥ……。


涙が頬を伝っていくのに気づいたけど、あたしは渚くんから視線が外せない。