「そうだよね、ほのかちゃん」 渚くんは、迷いなどなくそう言いきる。 「なら俺は、全てを知れなくてもいいから、ほのかちゃんの傍にいたい」 「……渚くんが見てるあたしが…」 「え…?」 「本当のあたしじゃなくても?」 全部が作り物、自分を守るために作った檻が、本当のあたしを隠して、偽物のあたしがここにいる。 良い子、嫌って言わない、何でも周りに合わせて、当たり障りなく生きている。 本当のあたしは、弱くて、何の力もなくて、誰かを不幸にする事しかできない。