「渚、規格外すぎてびっくりしたわ!」
校門までの帰り道、梨子は笑いだす。
今日は、球技大会があったからか、全部活休みだった。
「まさか、キャラ偽ってるんじゃないでしょうね?」
梨子の言葉に、あたしも同感する。
あのドッチボールの渚くんは、いつもの穏やかで優しい渚くんとは、まるで違って見えた。
うん、あたしも驚いた…。
「あ、あれは……ははは」
苦笑いを浮かべる渚くんの肩に、両サイドから琢磨くんと優真くんが肩を組む。
「ほのかちゃんが危ない目にあったから、だろ?」
「俺の女に手を出すな、的な?」
優真くんと琢磨くんがニヤニヤしながら、渚くんを見る。
「え……」
あたしの為に……?
って、そんなわけないよね……。
自意識過剰な考えに、あたしはブンブンと首を横に振った。
渚くんを見ると、パチッと目が合った。
渚くんは、すぐに顔を真っ赤にする。
「あの、えーと……ほのかちゃんの事、守り…たかったんだ…」
照れたように、頬をポリポリと掻きながら言う渚くんの言葉に、あたしは目を見開く。
ートクンッ、トクンッ!
……胸が、苦しい。
まるで、早鐘のように鼓動が早く、うるさい。


