「苦手?渚は、めちゃくちゃ運動神経いいじゃん!」
琢磨くんの言葉に、渚は慌て始める。
「いや、あの……ほら!バスケとかテニスって簡単に出来る競技じゃないからさ!」
あぁ、あたしと同じだ。
じゃあ、運動が苦手なわけじゃなくて、競技自体をやったこと無いからって事だったんだ。
「ほのかちゃん、一緒に頑張ろう!」
「うん」
まただ……。
渚くんが笑いかけてくれる度に、心臓がおかしい。
「双子は何やんの?」
「オイ!双子呼ばわりかよ!?」
「僕達は、テニスダブルスだよ」
梨子の言葉に、琢磨くんと優真くんがそう答える。
「部活でもこいつら、ダブルス組んでるんだよ。飽きないよなぁ」
そう言って笑う渚くんを、あたしは見つめる。
胸が高鳴る不思議な現象に、あたしは首を傾げるしかなかった。


