母親は、ハウスクリーニングの仕事をしていて、朝07時半から20時まで家を空けていた。


その間、無職のあの男…藤枝 孝はあたしを虐待した。


『ほのかちゃん、それで首を絞めるんだ』



男は笑顔で、あたしに言葉の凶器を突きつける。


目の前に置かれたのは、体育の時間に使っていたあたしのピンク色の縄跳び。


『や、やだ……』


首をフルフルと振ると、男はガラッと笑みを消し、物凄い形相であたしを睨んだ。


『早く首閉めろ!!出来ないなら俺がやるから、来い!!』

『っ……いやーっ!!やめてっ……ううっ…』


男は、あたしの首を縄跳びで力一杯に閉める。
息が出来なくて、怖くて涙が流れた。



その年冬、12月。
  

冬の凍えるような寒さの中、あたしは2階のベランダに、キャミソール姿で外へと放り出される。