「ほのか、私の所に、前原 渚くんっていう男の子が毎日来たわ」
「渚くんが……」
渚くん、お母さんに何度も会いに行ったって言ってた。
ひょっとして、お母さんこうして元に戻ったのも、渚くんのおかげなのかもしれない。
「私に、ほのかの話をたくさんしてくれたわ。それこそ、私がほのかの事を忘れていた時から」
「あたしの事を……?」
「渚くんが話し続けてくれたからこそ、私はほのかを思い出す事ができたわ。あの子、よっぽどほのかが大切なのね」
渚くん……渚くん、なんでかな、今すごくあなたに会いたい。
会って、ありがとうって伝えたい。
あたしと、お母さんを繋いでくれた。
感謝してもしきれないよ……。


