「あなたの傍に……いてもいいの?まだ、私はあなたのお母さんでいられる?」
泣きながら、あたしを見上げるお母さんに、あたしは涙でぼやける視界のまま、ゆっくりと頷く。
「あたしのお母さんっ……」
「ほのかっ!!」
あたしは、ギュッとお母さんに抱きつく。
お母さんも、あたしを抱き締め返してくれた。
お母さんが、あたしの名前を呼んでくれた。
抱き締めてくれた。
くまの人形ではなく、あたしの目を見て、娘だと言ってくれた。
「ううっ……お母さんっ!!」
あたしは、泣いて泣いて、それでも心は嬉しさで満たされていた。
「ありがとう、ありがとうほのかっ……あなたは、私の宝物よ」
いつか、小さい頃にお母さんが言ってくれた言葉だった。
お母さん、お母さん大好きだよ……。
「ほのか、あなたは気づかないうちにこんなに大きくなっていたのね……」
「え……?」
お母さんに抱き締められながら、お母さんがポツリと呟く。
あたしは、不思議に思って、首を傾げた。


