『離してー!!あいつを殺してー!!』
「っ………」
あの時、最後にお母さんと会ったときに言われた言葉が頭の中に響き渡る。
それに、足がすくんだ。
「梨子、どうしてここにっ………」
あたしは、足を止めて震える体を自分で抱き締める。
でないと、今にも膝から崩れ落ちそうだったから。
「ほのか、渚は、何度も何度も、ここに通ってきてたんだよ」
「え……?」
あたしは、梨子の言ってる事が分からなくて、確かめるように梨子を見つめる。
「ほのかのおばあちゃんに頼んで、お母さんの所に、ほのかが行けない分も、会いに行ってたみたい」
「どうして……」
渚くん、どうしてそんな事……。
渚くんの事、あんなに勝手に突き放したのに、どうしてそこまで……。


