「入っていいよ」と言おうとして、あたしは自分の姿を見下ろす。
しわくちゃの病衣に、ボサボサの髪。
おまけに、寝てないせいで、目の下のクマも、顔色も悪いと思う。
「ほのか、お願い、話を聞いてほしいの!」
「梨子……分かった」
あたしは、ゆっくりと体を起こす。
それと同時に、梨子が病室に入ってきた。
「ほのか………っ、ほのか!!」
梨子は、あたしを見た途端にブワッと泣き出し、あたしに抱きついた。
「り…こ……」
「本当に、心配したのよ!!」
ベッドに座るあたしを、力強く抱き締める梨子。
あたしは、そんな梨子の背中にそっと手を回す。
「ほのか、話は渚から聞いてる。辛かったね、辛いときに傍にいれなくて、あたし親友なのにっ…」
「梨子……違うよ、梨子が自分を責める事ない……。あたしが、あたしが、悪いんだからっ…」
渚くんも、梨子も優しすぎる。
あたしなんかの為に、傷つかなくていいのに…。


