「……もうっ…あんな思いは嫌……」
自分が傷つけられるより、何倍も痛かった。
あたしさえ、あたしさえ渚くんと出会っていなければ、こんな事には……。
「……苦しいのっ……ふ、うぅっ」
あたしは、両手で顔を覆い、泣いた。
離れたくないなんて、あたしのわがままのせいで、渚くんに怪我させた。
「ほのかちゃん………分かった、渚くんには伝えておくから、泣かないで」
おばあちゃんは、あたしの背中をトントンと優しく叩く。
そして、おばあちゃんはそろそろ渚くんが来る頃だからと、部屋を出て行った。
あたしは1人、病室に取り残される。
これから、どうすればいいんだろう。
何も変わらない、ずっと苦しみ続けるしかないのかな…。
「消えてしまいたいっ……」
でも、どうやったら死ねる?
どんなに手首を切っても、窓から地面を見つめても、結局死が怖い。
楽に、死ねる方法があればいいのに…。


