「あ、ほのかちゃん隣の席だったんだ?」
「あ、本当だね」
隣の席に座った渚くんが、嬉しそうに笑う。
梨子はあたしの前の席で、双子は…。
あたしの斜め前、渚くんの前が琢磨くん。
「梨子ちゃん、見てみてー!」
琢磨くんは隣の梨子に先生の似顔絵落書きを見せている。
「アホか、ちゃんと話聞きなさいよ!」
小声でコントをしているような姿に、あたしは小さく笑った。
そして、振り返ると、渚くんの後ろに優真くんだが座っている。
「やほー」
「えーと……」
無表情で手を振ってくる優真くんに、あたしは小さく手を振り返した。
優真くんは、少し不思議な、ミステリアスな人だ。


