「俺は大丈夫だ!!だからっ…」
「あたしのせいだっ!!あたしのっ!!」
早く、渚くんから離れるべきだった!!
傍にいたいなんて思ったからっ……渚くんを好きになっちゃったから!!
「あたしなんかが、普通になれるわけなかったのにっ!!ううっ………」
気持ち悪いっ……。
とてつもない吐き気が襲い、あたしは口元を押さえる。
「ほのかちゃん、ほのかちゃん!!」
「ううっ……おえっ……はあっ、はあっ」
吐きたいのに吐けない。
気持ち悪さがずっと続くような感覚。
渚くんが、あたしを強く抱き締める。
「俺からは逃げられない…分かってんだろう?」
藤枝 孝は、あたしをまるで甘やかすような優しい声でそう諭してくる。
あたしは、虚ろな瞳でそれを見上げた。
「もう……や…め……」
「警察呼ぶぞ!!早く消えろ!!」
渚くんは、あたしを強く抱き込んで、藤枝 孝から隠すようにした。


