「や……だ、やっ……」
渚くんが、カッターで刺された?
どうして?
あたしのせいで……あたしのせいで…。
「あたしの、せいで………っ」
ポタポタと涙が流れる。
あたしは、地面にしゃがみこんだまま、頭を抱えた。
「い……いやあぁぁぁぁぁぁっ!!」
悲鳴を上げて、あたしは泣き叫ぶ。
嫌、嫌、嫌、嫌、嫌っ!!
もうたくさん、もうたくさんだ!!
「うあぁぁっー!!ううっ、うぅーっ!!」
何も考えたくない!!
どうして叫んでいるのかも、泣いているのかも分からない。
ただ、この状況を作ったのは、あたしだという事だけは、ハッキリと分かった。
「ほのか……ちゃ……大丈夫…」
渚くんは、腕を抑えて、あたしに駆け寄る。
滲む渚くんの血に、また涙が溢れた。


