「お前には、関係ないから、さっさといなくなれ」
「断る。あんたこそ、もう二度とほのかちゃんに近づくな!」
渚くん……。
心臓が、バクバクと緊張したように脈を打つ。
渚くんは、あたしを庇うようにあたしを後ろへと押し退けた。
「あなたは、家族なんかじゃないわ!」
「黙ってろ、ばばあ!!」
ーバンッ!!
「ひゃあ!!」
おばあちゃんが、藤枝 孝に突き飛ばされ、地面へと転がる。
「おばあちゃん!!」
あたしは悲鳴に近い声で叫んで、おばあちゃんへと駆け寄る。
すると、おばあちゃんはコンクリートに擦れて、身体中擦り傷だらけになっていた。
「血も出てるっ……ごめん、ごめんねっ……おばあちゃんっ…」
あたしは、おばあちゃんを抱き締めながら泣き出す。
あたしは、いつも泣くだけ、何も出来ずに守られてるだけ。
あたし一人だけ犠牲になれば、こんなっ……。


