「テスト対策ノート?」
「?」
梨子とあたしは目を見合わせて首を傾げた。
「この双子は、超がつくほどの馬鹿なんだ」
渚は遠い目でそう言い放つ。
なんというか、色々苦労しているような目だった。
「大丈夫だよ、俺達には渚がついてるし!」
「僕達の試験対策もしっかりしてくれる」
完全に渚くん頼りな双子に、渚くんは深い、それはもう深いため息をついた。
「苦労してるのね……えーと、渚でいい?」
「うん、もちろんだよ。俺は、梨子ちゃんで」
梨子と渚くんの自己紹介を眺めていると、また教室の扉が開いた。
「よーし、みんな揃ったな。席つけー」
現れたのは、1年生の時も担任だった杉治 直斗(すぎじ なおと)先生だった。
歳は…39歳で、とても面倒見がよく、あたしのPTSDの事を知っている。


