「……もうっ……もう、疲れたよ……」


考える事も、絶望したり、悲しんだり、苦しんだり…。

こんな痛みなら、感情なんて、やっぱり持つんじゃなかった。


「こんな感情、いらないっ……いらないっ…うぅっ…」


「ほのかちゃ………っ!!」


何か言おうとしな渚くんは、言葉をつぐんで、あたしをただ抱き締める。


「もっと早く……もっと早くほのかちゃんの所へ行ってたら…ごめん、ごめんっ……」


渚くんは、ただきつくあたし抱き締める。


渚くんが、苦しむ事なんてないのに…もう、あたしのせいで傷つかなくていい。


傷つかなくて、いいんだよ……。


「ほのかちゃんの心が壊れる前に、助けに行けなかった。俺はっ…間に合わなかったんだな……っ」


「………っ……」

 
渚くんの苦しそうな声に、あたしは泣いてしまう。

なのに、頭が、考える事を止めてしまう。


もう、何も考えたくない。

何も感じなければいい。

何も、知りたくない。


あたしは、全ての世界を閉ざすように、瞳を閉じてすぐに、また、意識を失ってしまった。