「あんたがっ……消えればいいのよ!!」
「っ!!」
お母さんの言葉に、あたしは頭を鈍器で殴られたような衝撃に襲われる。
消えれば……あたしが、消えれば…。
そうしたら、お母さん……もう苦しまなくて済む…。
「あたしっ………」
世界が、閉じていく。
真っ暗になって、何も感じない、何も見えない。
「篠崎さん!どうしました!?」
「すぐに鎮静剤を!!」
遠くに、看護師さんの慌てたような声が聞こえる。
「離してー!!あいつを殺してー!!」
お母さんの声…お母さんが、あたしを殺してって…。
もう…もう嫌。
あたし、自分だけ幸せになろうとして、こんなにお母さんを傷つけて、不幸にしている事から、目を反らそうとした。


