「ほのかちゃん!!」
渚くんが慌ててあたしに駆け寄ってくるのが見える。
だけど、あたしは抵抗するより前に、頭が混乱して、動けなかった。
どうして?
お母さん、あたしの首を絞めてる…まさか、何か思い出した??
あの時のこと……お母さんは、あたしと同じPTSDをもってる。
フラッシュバック??
それとも、本当にあたしが憎くて、それで……?
「由子さん!止めてください!!」
「離してー!!この子さえいなければ!!」
首を閉めるお母さんの手を、渚くんが引き離した。
「ゲホッ、ゴホッ………」
急に空気が入ってきて、あたしは咳き込む。
そして、ゆっくり起き上がると、心底あたしを恨むようなお母さんの目が、あたしに向けられていた。


