「最近、変な奴多いから…それに、前もそんな事あったって言ってたよね。俺、絶対毎日送るから、1人で帰ったりしたらダメだよ?」
「うん、ありがとう渚くん」
心配そうな顔で、そう諭されると、なんだか自分が小さな子供にもどったみたいだ。
本気で、あたしを心配してくれる渚くんの気持ちが、心から嬉しかった。
ーカラカラカラカラ
「由子さん、こんにちわ」
「こんにちわ!」
あたしと渚くんは、ベッドに座るお母さんの方へと、歩いていく。
「…………」
だけど、いつもなら笑顔で「あなたたち誰?」と聞いてくるお母さんは、何も言わずに俯いている。
「由子さん、どうし……」
あたしが、お母さんの顔をのぞき込んだ瞬間…。
「……あなたさえっ!!」
「うぅっ!!」
お母さんは、あたしの首を掴み、勢いよく体重をかけてくる。
ーバタッ!!
そのまま、床に叩きつけられるようにあたしとお母さんは倒れた。


