放課後、部活のある梨子達と分かれ、あたしは渚くんと病院までの道を歩く。


「ほのかちゃん、今日はお母さんにお菓子買ってきたんだ、クッキーなんだけど」


渚くんは、鞄から小さな紙袋を出して、あたしに手渡す。


渚くん、お母さんの為にお花をくれたり、お菓子をくれたり…本当に、あたしの家族も大切にしてくれてる。


「ありがとう、渚くん」

「俺にとっても、ほのかちゃんのお母さんは大切な人だから、当然だよ」


渚くんは、あたしの頭を優しく撫でる。

あたしは、渚くんの右手に、自分から手を伸ばした。

そして、ギュッと握る。


「ほ、ほのかちゃん!?」


「本当なら、デートとか、放課後友達と遊びに行ったりとか、したいはずなのに…」


渚くんは、あたしの為に時間を裂きすぎだよ。

部活に入らなかったのは、花屋を手伝うからだって言ってたのに、毎日あたしについて病院に通ってくれてる。