「……梨子、あたしは梨子がいてくれて、本当に嬉しかった。この先も、梨子はあたしの親友だよ」
「ほのか……うん!」
梨子は、あたしをギュッと抱き締めて、そして涙目になりながら、そっと離れた。
「あたし………」
あたし、こんな大切な友達に、このまま自分の事を話さなくてもいいのかな…?
「ほのかちゃん……?」
考え込むように俯くあたしを、心配そうに見つめる渚くんの視線を感じる。
「ここには……ほのかちゃんの話を、バカにする人は誰1人としていないよ」
「え……?」
渚くんは、まるであたしの悩みに気づいているかのように、欲しい言葉をくれる。
「俺もほのかちゃんを知りたいって思ったように、みんなもほのかちゃんの心に近づきたいはずだ」
「渚くん……うん、ありがとう」
やっぱり、知ってもらおう。
あたしが、ずっと1人で抱えてきたもの。


