「ほのかちゃん、ここにいたんだ」
「あっ……渚くん」
声をかけられて振り返ると、そこには渚くんがいた。
渚くんはあたしの隣まで歩いてくると、同じように湖を見つめる。
「今は、何を見てたの?」
少し心配そうに尋ねられた質問に、あたしは首を傾げて答える。
「えっと、湖を……」
「よ、良かった……ふぅ」
それを聞いた渚くんは、安心したように笑って、あたしを見つめた。
「まだ、死にたいって思ってたら……その、どうしようって思ったんだ」
「あ………」
あたし、あのファミレスで、渚くんに死んじゃいたいって言ったんだっけ。
窓を眺めている理由が、死にたいからだなんて知ったら、心配もするよね。


