「あたしも、渚くんの事を知りたい」
「え…えっ!?」
あたしの一言に、渚くんは目を見張る。
そして、驚きの声を上げた。
繋いだままの手に、ギュッと力を入れる。
気づいて、あたしは……渚くんが好き。
渚くんは、あたしなんかよりもっと良い子と付き合うべきだと思うのに、この手を振り払えない。
だから、どうかこの気持ちに気づいてくれますように。
「ほのかちゃん……俺…」
繋いだ手を少し引かれ、あたしと渚くんの顔がぐんと近づく。
嘘っ……。
渚くんの吐息が、顔にかかる。
あのフローラルの香りが分かるくらいの距離にあたし達はいる。


