そして、ついに、琢磨くんと優真くんが補習試験に合格したので、山梨県にある山中湖近くの魚住家別荘までやってきた。
「海じゃないけど、湖までは歩いて5分よ」
「真由子さん、ありがとうございます」
魚住双子の母、魚住 真由子(うおずみ まゆこ)さんが別荘前であたし達を車から下ろしてくれる。
1泊2日のお泊まりに、優真くんと琢磨くんのお母さんが、付き添ってくれる事になったのだ。
「綺麗………」
車を降りると、ここが少し高台だからか、遠くに山中湖が見えた。
荷物を手に、あたしはキラキラと太陽の光を反射させる山中湖を見つめる。
「湖、入れるらしいよ」
「渚くん」
隣に立った渚くんと、山中湖を見つめる。
こんな風に、好きな人と、大切な友達とプチ旅行にこれたのがすごく嬉しい。
「おーい、姫達ー!!」
琢磨くんがこちらに向かって手を振っている。
「姫じゃない!!」
「まぁまぁ、渚姫、ほのか姫、お手を…」
「優真~~!」
優真くんの首をアッパーで絞めながら、あたしと梨子は笑いながらその後ろをついていく。


