「行くってどこへよ?」
梨子は近くの机に腰をかけて、首を傾げる。
「そんなん!……う、海とか?」
「何で照れてるのよ?」
恥ずかしそうにそう言った琢磨くんに、梨子は笑った。
「でも、何で行く?電車で行ける範囲じゃなきゃ」
「あ、なら僕良いこと考えた」
渚くんの言葉に、優真くんがニヤリと笑った。
「おお、その手があったか!!」
シンクロしたのか、優真くんの考えが分かった琢磨くんは、優真くんと目を会わせて笑った。
「じゃあ、1泊2日で山中湖な!!」
「うちの別荘があるんだ」
琢磨くんと優真くんの言葉に、あたし達は目が点になる。
渚くんは、何か納得しているようだった。


