龍二君は足早に歩きながらも、時々こちらをチラチラ見てくる。
不思議に思っていると、龍二君は急に立ち止まり、体を反転させた。
「お前…何で横歩かねぇの…?」
「え?」
「ちゃんと付いて来てるかわかんねぇし…」
「あ、そっかごめんね。」
(なるほど、だから時々振り返ってたんだ。)
あたしは少し考えて、いいことを思いついた!
「じゃあ、これなら大丈夫だよね♪」
あたしは龍二君の制服の袖口を掴むと、得意げに笑って見せた。
「……!!…好きにしろ…」
龍二君は少し顔を強張らせ、頭をかくと今度はゆっくり歩き出した。



