不思議とあたしには素直な零だけど、いつも決まって、あたしと同じ部活に入ってくる。


学校も、あたしより頭が良いのに同じ学校を受験したり嬉しい事だけど、柔道したことない零が入部するなんて思ってもいなかった。



それなのに未経験な零は組み手のメンバーに加わり、ありえない事に見事に一本決めた。


それから、部活が終わってから零を見つめいると龍二君に話し掛けられた。



「浮かない顔だな、どうした?」


「うんん…別に何もないよ。」


あたしが無理して笑うと龍二君は、目を伏せた。



「オレじゃ頼りないか?」


そう言われ、あたしは顔を横にブンブンと振った。


「うんん…違うの。その…ホントにたいした事じゃないから、相談するのもって思ったの…心配してくれたのに、ごめんなさい。」