龍二君は、不思議そうな顔を一瞬したけれど、そのまま聞く事なく手を上げ背を向け歩き出した。 * それから一週間後の放課後。 新入生も交えた練習日に何故か零の姿があった。 零は相変わらず表向きの仮面をつけて笑顔で龍二君と、あたしに挨拶してきた。 驚く事に零は、柔道部の新入部員として、ここに来たと言う。 その時、あたしは嫌な予感がした。 あたしには、とても素直な表の顔でも妹や両親にはとても冷たく乱暴な裏の顔になる。