「それは、何人くらい僕の事に気づくかなって、いう実験ですよ。」 零は、信じがたい言葉を顔色一つ変えずに言う。 その言葉に腹立ち奥歯を強く噛み、零に掴み拳を握った。 「これは、警告だ。愚弄するなら美月の弟だろうとオレは許さねぇ…」 「肝に銘じます、失礼します。」 零は何事もなかったように、部室を静かに出て行った。 オレは、遣り切れない気持ちを壁にぶつけた。 (とんでもねぇ腹黒だ…美月には悪いが、今はどうすることも出来ねぇな。)