恋色風船

『麻衣ちゃん』から『麻衣』に呼びかたが変わった。

旅の夜は、まとうものを脱ぎすて、ただ男と女になる時間なのかもしれない。


「寝てちゃダメだよ」

ささやきながら、こめかみのあたりの髪をかき分けて、耳たぶを舌で転がされる。


「だって、わたし・・こんなに酔っぱらっちゃったんだもん・・・」

たどたどしい言葉は、そのまま男を誘う媚態でしかない。


背中ファスナーのワンピースを着ていたから、脱がせるのは容易だった。
林の手つきは、熟練の職人のようだった。