恋色風船

そうして、林への、だ。


うまいものを食べさせようと骨折ってくれた男には、やはり無心で味わうのが、いちばんの返礼だろう。


またたく間に、すっぽんは身をしゃぶられ、骨になってゆく。

鍋のものが空になったところで、二人はようやく顔を見合わせ、満足の吐息をつく。


お腹のあたりが豊かになり、湯気でのどのあたりを温められ、わけもなく優しい気持ちになる。


「すっごく、美味しいです。びっくりするくらい」


「麻衣ちゃんは、いつも喜んで食べてくれるから、ごちそうしがいがあるよ」