恋色風船

「老舗だものね」
林が機嫌よくあいづちをうつ。


「なかなか予約が取れんことでも有名ですなぁ」

遠回しに、林の素性を探っているようだ。


「顔の利く友達がいてね。
おむつしてる頃から祇園に出入りして、高校生でいっぱしにお茶屋遊びしてたっていう、生粋の京都人だよ」


うわぁ、と麻衣は驚嘆の息をもらす。



「そこにいくと僕なんかはねぇ。
お座敷っていうだけで、舞い上がっちゃって。
カードは使えるのか、いくらかかるんだろう、なんてやってるうちは、まだまだ敷居が高いよ」