恋色風船

「老舗の旅館とかも考えたけど、麻衣ちゃんみたいな若い女の子は、近代的なホテルがいいかなって」
林の言い回しは、やはりソツがない。


「そんなぁ、そんなことないですよ」


「せっかくなら、外にうまいもの食べに行きたいから、旅館に片泊まりっていうのも気がひけるしね」


「・・片泊まり?」
麻衣は、小首をかしげる。


「ああ、宿泊して、朝夕のどっちかの食事しか利用しないってこと。
有名な旅館は、自慢の懐石料理を用意してるから、外食するのは失礼だし」