恋色風船

麻衣ちゃん、今度の連休って空いてるかな。

林がするりとそう口にしたのは、アミューズが舌の上からすっかり消えたころだった。
香りが口の中に余韻を残している。



「今度の連休ですか?」

問い返しながら、すばやく頭の中でスケジュール帳をめくる。


明彦とのデートの予定は、いまのところ、ない。

女友達とのちょっとした約束など、キャンセルできるものばかりだ。


「空いてると、思いますけど」

もったいつけるというより、いぶかしさもあって、慎重な返事になる。