恋色風船

アミューズは、チーズをレースのように薄く焼いてしあげた、なんとも繊細な一品だった。

口にすると、ほろりとくずれて舌の上で溶けてゆく。



女を喜ばせるために、男たちは命がけで狩りにゆき獲物を持ち帰ってきた。

それは太古の昔から続く、本能のようなものだろう。

うまいものを振る舞うことのできない男に、女を抱く資格などないと麻衣は思う。


恋人という地位に安住し、その努力を放棄しはじめた明彦のことを思うと、胸に小さなしこりを覚える。


林が登場してからというもの、それは次第に異物感を増している。