恋色風船




【いざ、羨望の唇へ】
と題された、口紅特集のページを、麻衣はそれこそ食い入るように読んだ。


「艶が主張するグロスは、ちょっとヘビー」
「透明感のある、秋の彩り」
「とろけるようなテクスチャー」


心躍る文句とともに、各ブランド一押しの新作が紹介されている。


コレ、と胸のうちにわき上がる感覚を、なんといったらいいだろう。


直感、というより、もっととらえどころがない。

ふとしたきっかけがある。