女性を、それも彼氏アリを承知で誘ってくるからには、迎えは車ときまっている。
六本木のカフェで待ち合わせて、うつくしい光沢を放つBMWに乗せられる。
「助手席に若いコ乗せるなんてひさしぶりだから、緊張しちゃうな」
そう口にはするけれど、ハンドルを握る手つきに力んだふうはない。
慣れている。
それくらいがいい。楽しませてほしいのだから。
麻衣の金曜の夜は、恋人のものだと知っているから。
土曜の夜に誘ってくる、年上の既婚者。
さて、彼は妻になんと言って、出てきたのだろう。
六本木のカフェで待ち合わせて、うつくしい光沢を放つBMWに乗せられる。
「助手席に若いコ乗せるなんてひさしぶりだから、緊張しちゃうな」
そう口にはするけれど、ハンドルを握る手つきに力んだふうはない。
慣れている。
それくらいがいい。楽しませてほしいのだから。
麻衣の金曜の夜は、恋人のものだと知っているから。
土曜の夜に誘ってくる、年上の既婚者。
さて、彼は妻になんと言って、出てきたのだろう。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)